産経編集長の神話観。
【from Editor】また「神話」を作るのか - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120904/biz12090407350001-n1.htm
まだまだ暑いのですが、この夏もピークは乗り切った観があります。火力発電と水力発電だけでピークを支えた発電関係者の努力があったことは事実でしょう。この事実を、「原子力発電は不要」という神話にしてはならない、というのが、小林毅産経新聞編集長の主張です。しかし、原発安全神話は、いつか起きる事故のリスクを無視していた、まさに「神話」だったのですが、原発不要は神話ではなく「事実」ではないでしょうか。今年は比較的天候に恵まれた(それでも8月後半は暑かったですが)という要素を勘案しても。
小林編集長はもうひとつ、バブル崩壊過程の事例も出しています。大手金融機関の破綻で連鎖倒産が起きなかったのは、「連鎖倒産が起きるぞ」という叫び声が嘘だったわけではなく、そんなことがおきないように必死で努力した人々がいたからだ、という例です。電力確保も同じだ、というわけですね。それは同意するし人々の努力に敬意は払いますが、未来予測に人の努力を算入することは間違いでしょうか。今夏の電力機器を乗り越えられたのは消費者側の節電努力もあったからで、その努力が「神話」によって崩されてはならない、という警鐘ならばわかりますが、どうもkのコラムからは、原発安全神話が崩されたことへの不平だけを感じてしまいます。