黙然日記(廃墟)

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産経、片山さつき氏に語らせる。

【金曜討論】生活保護 「受け取れない人の方が問題」「減額や停止の制裁導入を」城繁幸片山さつき両氏が激論+(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120629/trd12062908010006-n1.htm

 生活保護について片山“ソースは2chまとめサイト”さつき氏に語らせるのは、それだけで偏向していると言うべきでしょう。「討論」ではなく城氏と片山氏への単独インタビューの形式ですが(構成は櫛田寿宏記者)、およそ議論の体をなしていません。城氏がバランスのとれたまっとうな意見を開陳しているのに対して、片山氏は形式だけの建前論と本音らしい暴論がミックスされた、見るに耐えない意見とも言えない代物を展開しています。
 たとえば、生活保護と職業紹介のシステムを統合して、可能な限り仕事に就かせるようにしてはどうか、という点では城氏も片山氏も一致しているのですが、片山氏の場合はそれがとってつけたような論点で、生活保護制度全体をどうするかという視点に繋がっていません。挙げ句の果ては、不正受給を防ぐことが重要で、《1人の餓死者の問題と、大勢の不正受給者の問題は全く別の話だ》と言い切っています。
 これに続いて《国民はもうだまされない》という発言があります。また別の箇所では、生活保護費によって海外旅行を楽しんだ例など持ち出しています。ごく一部の悪質な不正受給者の問題をことさらに取り上げ、イメージ作りを図り、それに対する(一部の)反発を「国民の声」と称してものごとを押し通そうとする手法です。
 片山氏の詐術はすでに多くの人の発言により明らかにされているわけですが、いちおうは大手メディアである産経新聞が、片山氏の発言を再生産して撒き散らすことへの責任も問われるでしょう。最後に、城氏の発言からひとつ引用しておきます。《道義的責任で言うなら〔問題になった芸能人より〕片山議員の方が重い》。