産経抄のニート観。
【産経抄】8月12日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110812/plc11081202370005-n1.htm
英国の暴動はさまざまに分析されていますが、ニート(NEET)の存在が背景にあるという指摘が多いようです。日本語の「ニート」は「引きこもり」の同義語として使われたりもしますが、少なくともこの言葉が生まれた英国では、もう少し積極的な行動をする人々の意味ではあるようです。
ここから抄子は、日本でも他人事ではない、不況で就職先が減れば“ニート”が増える、不況になるのは脱原発で企業が海外脱出する正だ、菅政権が悪い、といつもの論理を続けるわけですが、さぁて。
NEETは"Not in Education, Employment or Training"の略であることは言うまでもありません。教育、職業、訓練のいずれにも就いていない状態です。働いていないと同時に、働くための職業訓練を受けていない、つまりハローワークに通うなどもしていないという定義で、就職の意思そのものがないことを示しています。NEETと失業問題とは(直接は)関係ありません。
失業者の増加が社会不安を招き暴動に到るケースは多く、そのために失業対策が経済政策の根幹とされるわけで、その意味でなら「産経抄」の危惧は理解できるのですが、ニート問題と結びつけたのは失態でしょう。
「脱原発による産業の空洞化」という虚構についてはいまさらとして、日本での若者の暴動に突然危機感を抱くようになったのは、先日のフジテレビ前のデモが産経新聞社にとって他人事でなくなったからでしょうかね。今までは“他人事”だったわけです。
ところで菅首相がいよいよ退陣表明とあって大喜びのようですか、「菅以外なら誰でもいい」とあれだけ言っていた産経や自民党は、本当に誰がなっても文句を言わないのでしょうね。