産経抄の審判観。他。

【産経抄】５月１３日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110513/dst11051303160006-n1.htm

　昨日の「主張」に引き続き、「産経抄」もイージス艦事故の自衛隊側無罪判決を勝ち誇っています。どうも、海難審判での事実認定から刑事裁判で無罪判決になったことを、二審逆転無罪みたいに思いこんでいるのではないでしょうか。赤二審、じゃない赤ニシンに惑わされているんでしょうね。
　両者は単に審判のルールが違うというだけのことです。海難審判では行政としての責任の有無が問われるのに対し、刑事裁判では「疑わしきは無罪に」というルールが厳密に適用されるというだけのことです。同じルールで前回の判決の間違いが指摘されたわけではありません。
　あの事故でイージス艦側が叩かれたのは、別に自衛隊バッシングというわけではなく、国（行政）の最新鋭の船と小さな議の線の事故では当然の反応でしょう。ここで「暴力装置」発言を持ち出すわけのわからなさが、さすが産経です。ていうかここまで強調されると、産経は本音のところで自衛隊を「暴力」と考えているから過剰反応しているのではないか、とうがちたくなります。

【主張】原子力発電　首相は再稼働を命じよ　電力不足は経済の活力を奪う - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110513/plc11051303210005-n1.htm

　なんかもう、涙目ですね。脱原発が国家のエネルギー政策の大転換を意味するのは事実ですが、大転換が起きるときというのは、こういうものです。それに抗うオピニオンが現れるのも常道で、産経はその役割をきっちり果たしているのですから、これはこれでいいのかもしれませんけれど。