黙然日記(廃墟)

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産経抄の国母観。他。

産経抄】5月8日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/505871/

 母の日→国母さま→皇后陛下というのも、ずいぶんな飛躍です。近代で昭憲皇太后*1だけで、香淳皇后昭和天皇の皇后)に触れないのはなぜでしょうか。当時の話を聞くと、少国民たちは「皇后陛下はお母様」と教えられ戦地に旅立っていったそうで、そうした教育が某カルト国家や某カルト宗教(いずれも教組は当時の日本の教育を受けている)に真似されているわけですが。
 あと、母親を大事にするのも「国母」という表現も、別に日本独自ではありません。親を敬うのはどの国でも普通ですがそれ以上に、親や先祖を崇敬する儒教(さらに中国の伝統的信仰)の影響がかなり強いものです。良い悪いは別にして、少なくとも東アジアに普遍的なものをあたかも日本独自であるかのように言い立てる識見の狭さには、もう何十回目かですが、呆れてしまいます。


【菅政権考】「人の心が分からない首相」 言いたい放題の与野党+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110508/stt11050809350001-n1.htm

 おなじみ、阿比留瑠比記者です。
 最初いきなり、《かつてこれほど、その「人格」が問題にされた首相がいただろうか》と始まっていますが、いましたよね。阿比留記者の文章ということを踏まえるまでもなく。……いやまあ、女性スキャンダルで辞職した宇野宗佑元首相ということにしておきますが、他にいないとは言いません。
 この記事は、菅首相にいかに「心がない」かを力説しているのです。会見で涙を流したりすると、「弱いリーダーは云々」と言われるし、どうしたものでしょうね。《こんな首相のもとで〔中略・挙国一致は〕、そもそも夢物語ではないか》というのも、前後関係を無視した言い方に思えます。この局面で、特に自民党の政府への非協力ぶりには常に驚かされます。驚くと言えば、後任のアイディアもなく、ただ「菅首相を辞めさせればどうにかなる」としか言わない阿比留記者の結論も、またそうなのですが。

*1:「昭」という文字は、「昭和」関係以外では人名ぐらいにしか使われず、それもほとんどは昭和以後のことです。「昭憲」という文字を見ると「昭和憲法」を連想せざるを得ず、大正3年に送られたこの名前は、なかなか皮肉な印象を受けます。