黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

今日の出来事、産経「正論」の日本語教育。

【防衛汚職】守屋被告に懲役2年6月の実刑判決 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/192742/

 今日はそれどころじゃないだろ、という状態なので、あえてメモっておきます。この事件では関連していろいろな人の名前が出てきましたね。政権交代で期待される効果のひとつが、旧体制の膿を出し切ることですが、さて。

【コラム・断】平和を愛する諸国民の「実効支配」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/dan/192807

 これもメモだけ。名前を書くのもうんざりな、産経執筆者のなかでも軽薄さでは一、二を争う自称民俗学者が(もう一人は自称女性マンガ家)、さっそく産経対馬キャンペーンの尻馬に乗っています。このキャンペーンに賛同するのは、カルト信者でなければあからさまな嫌韓ぐらいですから、既存マスコミでそんなに広がるとは思っていなかったのですが、なかなか油断はできません。

バラク・オバマ氏が第44代アメリカ大統領に当選!!! - ステージ風発:イザ!
2008/11/05 13:46
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/783146

 そして、選挙戦を通じて全面的に共和党マケイン候補を支持し、オバマ候補が当選すれば経済も日米関係も滅茶苦茶になる、と強く訴えてきた古森義久氏ですが、叫び声のような見出しとわずか4行の淡々とした本文で、事実のみを伝えています。思わずこちらも感涙してしまいました。

Obama, Fukui - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Obama,_Fukui

 ほとんどどーでもいい小ネタ。Wikipedia英語版。"Relationship with Barack Obama"のセクションの次に"North Korean abductions"の記述があるのが興味深かったです。日本語版にはこの記述がありません。
 バラク・オバマ氏は福井県小浜市への訪問を希望しているようですが(リップサービスかもしれませんが)、もし実現したらちょっと面白いかもな、と。

産経の日本語教育論とその実践。

【正論】加藤秀俊 小中学校の「言語学習」を思う - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/192701/

 これはたいへんわかりやすい「保守的」な論説で、好感が持てます*1日本語教育特区に指定されている東京都世田谷区での実践例で、日本語の古典や漢文を、漢字制限も無視して、とにかくいったん覚えさせる、わからなくてもいい、その後忘れてもいい、なんらかの教養になればそれでいいというのは、たぶん産経「主張」が普段から妙な遠回しで書いている日本語教育の理想型なのでしょう。具体的にどこまでやるかはともかく、必須的な読み書きとは別に「日本語の豊かな表現になじませる」という考え方としては、わたしはあまり否定的ではありません。(断っておきますが、わたしは教育の専門家でもなんでもありません)。
 ところがそれに続いて加藤氏は、小学校の英語教育に否定的見解を示します。たしかこんどの指導要領で決まったのは、「英語の表現になじませる」という目的だったはずです。というかぶっちゃけ小学校高学年でも遅いので、できるだけ早くから英語の発音*2だけでも耳になじませ、できれば真似させないと、発音が身に付きません。その段階では意味がわからなくてもいい――となると、これは言語教育ではなく音楽教育の範疇になるのですが。別に、矛盾する話ではないと思います。ただ、こんなことを言い出すといくら授業時間があっても足りなくなるので、どう按分するかという問題はあいかわらず残ります。
 しかしまあ、産経の国語教育についての、個々の意見はわかるとしても目指している点がわからなくて困っていたのですが、この加藤「正論」がその着地点なのだと考えると、いろいろすっきりします。そういう意味でも、わかりやすい「正論」でした。ひとつ問題があるとしたら、見出しに反して中学校の言語学習にまったく触れていない、というぐらいでしょうか。

産経抄
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/192702/

 で、加藤氏が憂えている、マスコミ関係者による「見るも無残、聞くも不快な「日本語力」」のサンプルが、同じ日の「産経抄」にあるという皮肉な状態です。半疑問形は使うわ、読点の位置は出鱈目だわ、論旨は不明確だわ。こんな日本語で流行歌の題名に英語が使われるのを「植民地的」などと批判されても、説得力がありません。ああ、上で述べた、英語の歌を用字に教えればいい、というのは、90年代のヒット歌手の誰それの歌は除きますから念のため。

*1:「保守」を僭称する歴史修正主義的な反動右翼をわたしは批判しているので、正統な保守派に対しては、認めるべきは認める姿勢です。

*2:日本語とは違う音韻体系、できれば複雑な母音体系のある言語なら、フランス語でも朝鮮語でもなんでもいいのですが。