黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

古森義久氏、少数民族女性の人権問題に取り組む。

中国当局ウイグル人女性40万を強制移住させる――ラビア・カーディル女史が証言-ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/370301/

 元「良心の囚人」で人権活動家のカーディル氏が、米国人権議員連盟で講演したというニュースです。産経新聞の紙面にも掲載されたらしくエントリ内で全文引用されていますが(記事は山本秀也記者によるもの)、ネット上では他に見あたりませんでした。
 ところで、古森氏はカーディル氏を「独立運動の指導者」としているけれど、どうなんだろう? 米Yahoo!に配信されたロイターの記事でも、日本語の支援サイトでも、いちいち引用しないけどWikipedia英語版でも、人権活動家という説明はあっても特に独立を訴えているようには思えないのですが。ていうかそもそも、ご本人が引用している産経新聞の記事でも「人権活動家」になっていますね。

Uighur activist asks U.S. to help stop China removals - Yahoo! News (英語)
http://news.yahoo.com/s/nm/20071101/wl_nm/china_usa_uighurs_dc_1

ラビヤ・カーディル ウイグルの母 シルクロードからの告発
http://www.geocities.jp/kokok0512/

 さて、この中国当局によるウイグル人女性の移住政策について、古森氏は旧日本軍の従軍慰安婦と比較を示唆しています。たしかによく似た問題で、全体主義政権が国内少数民族若い女性を、若い女性であるという理由で何十万人も連れ出した(連れ出している)という人権問題です。二つの問題の違いといえば、一方の目的は民族浄化、一方は性的奴隷であるという点ぐらいでしょうか。ここで中国当局を非難するなら(非難すべきですが)、旧日本軍も当然非難されることになるでしょう。その点で米国議会の態度は一貫しているし、わたしも一貫しているつもりですが、古森氏の態度ははたして一貫するのでしょうか。古森氏は「強制移住」と表現していますが、ロイターの記事によるカーディル氏の説明では、働き口があると甘言を弄して連れ出しているようで、これはどこかで聞いたような話ですね。「広義の強制連行」とかいって区別するんでしたっけ? 


 カーディル氏は今月来日されますが、検索しているうちにこういう記事も見つけたので紹介しておきます。

Amnesty International-wfsection-「反テロ」戦争と新疆ウイグルの人権:ラビア・カーディル来日、全国講演開催!
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1469

 アムネスティ・インターナショナル日本の主催によるツアーで、11/10〜25の日程なども紹介されています。また、このツアーは寄付金によって成り立っているので、関心をお持ちで余裕のある方は協力を検討してみてはいかがでしょうか。古森さんはこれだけ熱心にカーディル氏のことを紹介されているのですから、きっと講演ツアーにも力を尽くしてくださるものと期待します。