黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経抄が連日でひどすぎる。

 産経新聞の問題コラムといえば筆頭は「産経抄」ですが、こっちはまだ打ち切りにならないのかな。それにしても昨日今日は特にひどい。

産経抄】3月29日-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/sankeishou/45256/

 植木等さんの訃報を前振りに使って、後半はまったく関係ない慰安婦問題。植木さんに対して失礼すぎる。あんまり腹が立ったので、昨日はあえて取り上げませんでした。
 問題の後半部分は、先日の古森義久氏のblog *1と同じく、「当時を知る」という読者の手紙を元ネタにしていますが、なんで敗戦当時21歳だった人が慰安所の背景を断言できるんだろうとか、謎だらけです。どうもこの人は軍人ではなく(戦中戦後を通して)業者、または日本人慰安婦だったのではないかという推測もできますが、どうなんでしょうね。その視点で手紙から引用された文章を読み直すと、慰安婦の連行について強制性があったともなかったともいっさい言及していないこと、戦後の進駐軍慰安所の方が問題だと考えているらしいことなど、たいへん興味深いのですが。
 そして結び。

事実に基づかない歴史を捏造する無責任さは許されないはずだ。

 ブーメランぶーめらん。で、今日の分も行きます。

産経抄】3月30日-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/sankeishou/45348/

 冒頭で「欧米には暗黒の歴史がある」と述べ、奴隷貿易と先住民の土地を略奪したことに関する話題を並べて、当時は“合法”だったけれども今のモラルに照らして問題があるから、免罪なり断罪なりの動きがあることを三分の二ほどのスペースを使って述べてから、「歴史を現在の基準で判断するのは誤りだ」ときます。冒頭部と矛盾してるじゃん。
 ていうか、慰安婦問題を無理に擁護しようとすると、拉致問題だろうと奴隷貿易だろうとなにを持ってきても、全部ブーメランになるんですね。そもそも国内外から批判されているのは、慰安婦問題そのものではなく、それを否定する安倍一味や産経新聞の態度であることはもう何度も指摘されているんですが、まだ理解していないんだろうか。
 そのあととってつけたように安倍発言の擁護で、文章としての構成が滅茶苦茶ですね。産経抄の筆者には少なくとも一人、ひどく稚拙な文体で書く人がいるのですが、たぶん今日の担当者がそうだと思います。他のコラムと同じように、せめて4月からは筆者を入れ替えてほしいものですが、よりによってこの人が残ったりするんだろうなあ。