黙然日記(廃墟)

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戦没者追悼について。

 いい機会なので自分の考えを述べておく。
 国家として戦争による死者を悼む意志があるのなら、追悼式典はもちろん、国立の追悼施設を作るべきだろう。新たに作ってもいいが緊縮財政の折でもあるし、千鳥ヶ淵を拡充するのがいちばん手軽でもあるし主旨にもかなう。まあ、このへんは技術論だからどうでもいいのだが(沖縄に作るという方向もあるかもしれない)。もちろん無宗教で、あらゆる宗教の形式による礼拝を受け入れるものになるだろう。米国大統領には一度来てもらわないと困るな。
 かつて事実上の国立追悼施設だった場所があるが、あくまで宗教施設なので上記の目的には向かない。というか、現憲法の下では完全に分離された存在であるはずなのだから、議論にも値しない。一介の宗教法人が戦争指導者でも松岡でも白取でも誰を崇拝しようが、国が関わることではない。必要ならその宗教法人に破防法を適用するだけだ。そういう宗教法人に政治指導者が参拝するのは、その個人の資質の問題として批判されるべきというだけのこと。こういう面から見ても、靖国神社統一協会は同レベルのカルト教団なんだなと思う。
 天皇は、国民統合の象徴として国のシステムに組み込まれていると同時に、神道という宗教の指導者という面もあるのでややこしくなるが*1、「誰それは合祀するな」といった指示を公式に出しているわけではないので、直接的に困ることはないはずだ。「尊敬している人の考えに自主的に従う」のが普通のやり方だとは思うが、まあとやかく言うことではないと。

*1:このへん、日本国憲法は触れずに逃げている観がある。それがいいのか悪いのかも、ちょっと判断しかねるのだが。