黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経記者、応援される、他。

 これは17日分です。

ホテル社長らを書類送検へ 日教組集会参加者の宿泊拒否で - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/232370

 コメント欄でElekt_raさんにもご教示いただきましたが、昨年2月にグランドプリンスホテル新高輪日教組教研集会全体集会の開催を断り、参加者の宿泊も一方的に解約した事件について、1年以上を経てやっと警視庁が対応しました。当時から指摘していたように、これはホテルももちろん悪いのですが、根本的には日教組の集会とみれば妨害する街宣右翼がいちばん悪く、それに次いでまたは同じぐらい、妨害行為に迷惑防止条例その他を適用せずに手をこまねいていた、あるいは積極的にスルーしていた警視庁が悪いという事案です。

自民、衆院選にらみ「保守色」鮮明 日教組に矛先 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/230327

 ここで関連して、11日付の阿比留瑠比記者による記事を引っ張り出してみます。
 麻生太郎首相・鳩山邦夫総務相塩谷立文科相笹川尭自民党総務会長・森喜朗元首相ら自民党の重鎮による、日教組を名指しで批判する発言が続いています。この記事にはその他、安倍晋三小池正勝山谷えり子森山真弓義家弘介各議員といった豪華メンバーの名前も登場します。中川(酒)氏は謹慎中としても、あとは中山成彬氏あたりの名前が出てくれば、ほぼ自民党(の自称“真正保守”派)が揃い踏みといった印象です。
 その嚆矢となった2月22日の麻生首相発言は、その前日に首相公邸を訪れた安倍晋三元首相のアドバイスによるものだ、というのが阿比留記者の見立てです。麻生氏の反応はともかく、安倍氏の行動についての記述は、阿比留記者の記述はかなり信頼性が高いと見ていいでしょう。
 日教組なんて民主党の支持団体の中では弱小で、上部組織である連合を叩いた方が効率的ではないかと思うのですが、なぜか自民党は、また産経新聞は、そして阿比留記者は、ひたすら日教組をターゲットにしています。特に阿比留記者が注目するのが輿石東民主党参院議員会長で、彼のブログを見ればわかるのですが、もう何年にも渡って悪の総本山のごとく粘着的な批判を続けています。一方で、この記事を見た輿石氏は担当記者を通じて阿比留記者に「励ましてくれてありがとう。阿比留君によろしく」との言葉を伝えたそうで、人物の格が違うというか。

森、安倍両元首相に「違法なカネ」と指摘された輿石氏の選挙資金 - 国を憂い、われとわが身を甘やかすの記:イザ!
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/948644

 過去に輿石議員の関係者*1政治資金規正法で罰金刑を受けたこと、それが産経のキャンペーンによるものであることを阿比留記者は強調していますが、それ自体は法的に決着のついたものであり、現在はおそらく(書類上は)クリーンにしているものでしょう。「過去にこうだったから今も悪いに決まっている」という感情論に訴えたくなるのはわかりますが、完全に攻めどころを間違っていますね。

門真市でも「政治資金規正法」悪用し市議逮捕−JanJanニュース
http://www.news.janjan.jp/government/0903/0903159406/1.php

戸田ひさよしの自由自在ホームページ
http://www.hige-toda.com/

 以前、このブログにも直接コメントを戴き、その後折に触れてメールニュースなども戴いている、ヒゲ戸田こと戸田ひさよし・門真市議会議員が、やはり政治資金規正法の書類上の扱いで起訴されていたのですが、3月11日に最高裁判決が確定し、2年間の公民権停止処分で今月中にも議員失職となることを、やはりメールで教えていただきました。もちろんこのぐらいでくじける方ではないですし、ご本人も次期選挙への立候補を宣言されています。再起を期待しています。
 この事件にしても、やはり書類上の微罪で(組合員からのカンパを団体が集約して寄付したところ、団体献金とみなされたもの。小沢一郎氏の事件に比べると、戸田議員の手続き上のミスはあったと思いますが)、政治資金規正法が政府(自治体、その手先となって働くメディア))側の都合のいいように使われている一例ではないかと思います。
 
 まったく別の事件についていくつか挙げていきましたが、どうもいろいろと、おかしなことが続くものです。すべてつながっている、というとただの陰謀論ですが、そうではなくて、根本的なところにある同じ問題が、たまたままとめて目についただけではないでしょうか。

追記。(03/18)

戸田・門真市議失職へ 最高裁が上告棄却 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/230585

 産経の記事もありましたが、上記のJanJan記事と比べると、一方的に悪人扱いですね。

*1:コメント欄でgaullisteさんのご教示により修正。またあびるんに釣られてしまった……。

産経の責任論、他。

 なんか順序が混乱してるけど、これが18日分です。

週刊新潮編集長が交代 朝日襲撃報道とは「関係ない」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/books/breview/232917

 赤報隊事件の“実行犯”手記報道は、朝日新聞他ほぼすべてのマスコミから批判され、「週刊新潮」側からのまともな反論もなく、99%誤報だったと見ていいようですが、新潮社・編集長とも、誤報の責任は取らないのだそうです。事実上は更迭人事だとしても、表向きは責任を取らない、と。

【主張】日テレ社長辞任 説明不足では不信消えぬ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/232716/
 入手した情報の裏付け取材を徹底して行うというのは、報道に携わる者の最も基本的、かつ重要なルールだ。ここがおろそかになると読者や視聴者の信頼を失い、報道全体の危機に直結する。

 いやもう、なにも申し上げることはございません。かさにかかって日テレを非難していますが、責任を取っただけ日テレの方がマシじゃないかなー。
 
 ところで、まさに産経watch的な話なのですが、昨年6月に論説委員長が千野境子氏から皿木喜久氏に交代し、皿木新委員長は堂々たる年頭社説も書いていたのですが、どういうわけかこの2月から中静敬一郎氏(前論説副委員長)が論説委員長を名乗るようになり*1、皿木氏はヒラの論説委員になってしまったようです。わずか7ヶ月で、昇進ならともかく降格人事というのはかなりの異常事態があったのだろうと思いますが、なんだったのかな? また、この人事について広報らしきものも、少なくとも電子版にはまったく出ていません。いったいなにがあったのかなー。

連合、ベア固執で“歴史的”大敗 春闘 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/manufacturer/232943

 昨日のエントリで、日教組ばかり攻撃せず連合も攻撃したら、と言ってみたのですが、さっそく飯塚隆志記者がこんな記事を書いてくれました。連合の戦略ミスのために春闘は労働側の大敗だった、このままでは雇用確保もできず賃上げもないので消費は冷え込み日本経済はさらに悪化するに違いない、どうしてくれる、みんな連合の責任だ、と指摘されています。……あのさあ。それって経営側が悪いんじゃないの? 経営側に責任はないの? 春闘妥結後に実質賃下げした東芝富士通とかは全然問題ないの? 飯塚記者は企業側の責任にまったく言及していないので、そういう見解なんでしょうね。
 ちなみに15日付の記事*2では、電機連合の労使が雇用確保で合意したことを伝えていました。

[opinion]正論原理主義

正論原理主義」を乗り越えて:佐々木俊尚 ジャーナリストの視点 - CNET Japan
http://japan.cnet.com/blog/sasaki/2009/03/17/entry_27021160/

 「正論原理主義」というミームが一部で話題になっているようです。これを見たときわたしは、産経新聞の「正論路線」が原理主義に走ったことを意味しているのだろうと思ってしまったのですが、ちと産経ウォッチのやりすぎだったようです。「文藝春秋」2009年4月号に掲載された村上春樹氏のインタビューに登場した言葉で、もちろん村上氏は本来の意味で「正論」という単語を使っています。
 そもそもは、産経が“正論”という言葉を僭称(その資格がないのに勝手に名乗ること)しているのが悪いんですが、いやしかしこれはもしかしたら、適切なネーミングだったのかもしれません。産経「正論路線」が原理主義に走るもなにも、最初から原理主義です(いろんな意味で)。「俺の意見は正論だ」という確信は、その意見の正誤を問わず原理主義につながります。
 ここに挙げられた村上氏や佐々木氏の言葉がすべて正しい(正論だ)とはもちろん思いませんが、傾聴に値するともちろん思います。