黙然日記(廃墟)

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産経「主張」と阿比留氏の頭の位置。

 小学中学高校と3回日本史を教えるから歴史うんざりな子が増えるので、中学では東アジア史を教えたらどうでしょうね。高校で日本史と世界史に枝分かれすると。義務教育でアジアと日本の関わりを学ぶことも重要ではないかという思いつきですが、あ、いかん。産経と育鵬社がアップを始めています……。

【主張】村山・河野対談 国会招致で疑問をただせ - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/150611/clm1506110003-c.html

 11日付ですが、まとめて。河野洋平衆院議長(元官房長官)と村山富市元首相が禍根を残したとしたら、愚かな人々につけいる隙を与えたことぐらいでしょう。その責任を、お互いに感じなければならないと、つけいっている側に指摘される筋合いはありません。《両談話は〔中略〕国家としての名誉も傷つけてきた》とかさにかかっていますが、「慰安婦問題はなかった」「侵略はなかった」と言明したらその場合、日本国の名誉が国際的にどれほど傷つけられたか、想像することもできないのでしょうか。いまそれをやろうとしているのが、産経新聞の信奉する安倍晋三首相だというところに、痛切な不安を感じます(談話発表まであとわずか2箇月しかありません!)。
 慰安婦問題のなにが「問題」かというと、ひとの心を木津つけた、これに尽きます。それについて開口一番「いやこっちの行為はこうだった、責任はない」と言い出すのは、ケンカが始まる典型的なパターンです。「ともかくすみませんでした。詳細は後ほど」が、場をうまく収めるコツです。現に、歴史修正主義者、と呼ぶと起こるのでリビジョニスト(見直し主義者)と呼んでおきますが、その安倍首相が河野談話を見直そうとすることに対して、韓国側は感情的な対応を取り、日韓関係は国交修復後最悪の状態にあります。どう考えても日本の国益になっていません。被害者が感情を持つことは当たり前だと考えて、それに常識的な対応ができないなら、いくら地球儀を俯瞰しても外交能力はゼロです。産経新聞の対外能力がゼロなのはかまいませんが(それでも日本の国益を部分的に損ねるのですが)、首相がそれではたいへん困ります。
 問題が何度も蒸し返されているのは事実です。それは常に、日本側のリビジョニストが行動を起こしたときでした。

【阿比留瑠比の極言御免】村山、河野両氏の善意と真実の勘違い 日本人の名誉を傷つけているのは、どっち?
http://www.sankei.com/premium/print/150611/prm1506110010-c.html

 こちらも11日付です。文中に引用されている河野氏この言葉が、言い尽くしていますね。長いですが引用しましょう。
 《「とにかくまず最初は事実を認めることが大事。真実、事実を認めることからやらなきゃダメだ。一つ細かいことを持ってきて、だからなかったんじゃないかと言って否定する。よそでもやっているからいいじゃないか、と言わんばかりの言い方をする。こんなことが、どのくらい日本人の名誉を傷つけているか。私は非常に怒っている」
》。無理解なリビジョニストと20年以上戦ってきた河野氏ならではの言葉だと思います。阿比留氏が最後に、マックス・ウェーバーを引用しているのは大笑いです。仙谷由人官房長官(当時)の「暴力装置」発言に、意味もわからず噛みついていたか、少なくとも噛みつく同僚を黙視していたのに。
 まあ結論を言えば、「主張」子も阿比留氏も、安倍氏も、私生活を含めてきちんと他人に謝ったことがないんでしょうね。「誠意を見せる」という言葉の意味も知らない。焼き土下座しろとはいいませんが。