黙然日記(廃墟)

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産経「正論」と《経済の安倍》。

【正論】「経済の安倍」成功が扉を開ける 双日総合研究所副所長・吉崎達彦:イザ!

http://www.iza.ne.jp/kiji/column/news/141226/clm14122605020001-n1.html

 《経済の安倍》だそう゛てす。アベノミクスという幻想を振りまいて選挙に勝利したのは事実ですが、その実態について切り込む姿勢は、吉崎氏にはありません。
 米国政治で「経済だけでいい」と言われるのは、有権者の関心はまず自らの暮らし向きにあるから、です。その事情は日本も変わりません、民主主義国の普遍的な現象でしょう。そこに登場したアベノミクスが、「大衆の暮らしを上向かせる」という幻想だけ振りまいて、実態は消費者や中小企業を無視した大企業優遇体制に他ならない(なぜ円安が放置されているのでしょう?)ことを、吉崎氏はまったく無視しています。トリクルダウン理論が10年前の虚構であることは選挙戦で指摘されたとおりですし、賃上げに取り組んでいるように見えるのも、国民生活のことを考えた結果ではないことは明らかです(なぜ円安が放置されているのでしょう?)。大企業にとっての景気上昇なんて簡単な話で、国民の血税を大量に市場に放出すれば、見かけだけ経済が好転してその金は企業の懐に入るというカラクリがあるだけなのです。
 こうしたアベノミクスの虚構を是として、さらに《次の扉》、軍備強化や憲法改悪を示唆する吉崎氏のこの論は、まさに産経「正論」路線そのものですね。