黙然日記(廃墟)

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産経抄の行き詰まり感。他。

産経抄】3月4日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120304/kor12030403030001-n1.htm

 なにを言いたいのか、まるでわからないコラムになっています。米朝交渉がまとまって、(部分的な)ウラン濃縮停止と(部分的な)食糧援助という成果を挙げたことが、どうやら理解できていないようです。「米国様が北朝鮮ごときに屈するはずはない」「あの北朝鮮が他社の要求をのむはずがない」という願望だけで物事を見ているからでしょうか。
 直接関係ないのですが、松原仁拉致問題担当相が最近積極的な発言をしているのが気になっています。新任ゆえ、またタカ派として担当相になったことでのフロックなのか、あるいは水面下で実際に交渉が進んでいるのか、いまのところなんとも言えないのですが、後者であることを願っています。

「【軍事情勢】最も懲りない男」:イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/548056/

 野口裕之九州総局長の、鳩山友紀夫氏批判。鳩山氏は最近、活動名を「友紀夫」に変更し、そのことは文中でも触れられているのですが、この記事では《鳩山由紀夫元首相》として扱っています。各紙ともそういう扱いのようですが、慣例としては現在の活動名に合わせるべきはずなのでしょうか。
 内容は、鳩山氏の県外移設への真摯なこだわりを揶揄するとともに、《「東アジア共同体」なる怪しげな構想が、米国に大いなる不信感を植え付けた》と断じています。日本が対米外交を重視するか対中外交にシフトするかというのも単純な割り切りですが、日本が対米一辺倒である方がアジア重視よりは好ましいと米国が考えるかもしれないということは理解できます。ただ、野口記者の東アジア共同体への理解は、あまりにもネトウヨ的なものです。同共同体のモデルは言うまでもなくヨーロッパ共同体(EU)ですが、EUに特定の「盟主」が存在するでしょうか。あえて言えばフランスとドイツが対等の大国として全体を引っ張る構図ですが、「盟主」という言い方をする人はいません。中国と日本の力関係は、一方的な盟主の誕生を許すほどのものではありませんし、そう考えること自体、我が国の力を見くびる国辱的な視点と言うべきものでしょう。