黙然日記(廃墟)

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「産経抄」「主張」の曖昧さ。

【主張】ノルウェー・テロ 監視疎かになってないか+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110724/crm11072403490005-n1.htm

産経抄】7月25日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110725/erp11072503310003-n1.htm

 24日付「主張」と25日「産経抄」をまとめてしまいます。ノルウェーの連続テロにより犠牲になった方々に、哀悼の意を表します。合掌
 まだ全体像も背景もはっきりしていませんが、実行犯とみられる人物は排外主義などの極右思想に染まっていたと報道されており、その前提で話を進めます。
 さて、「主張」「産経抄」とも異様に歯切れが悪いのは、どうしたわけでしょう。たとえば「主張」は、「国内テロにも警戒せよ」とアバウトなことを言うだけで、具体的にどうしろという提案がありません(いつものことですが)。暴力によって主張を通そうとする暴力思想そのものを批判しなければならないところなのですが、それもほとんどおざなりに過ぎません。「産経抄」に至っては、読みようによってはチャップリン映画に出てくる有名なせりふ《一人殺せば殺人だが百万殺せば英雄だ》を肯定しているのかとさえ読めます。
 極左も極右もテロを起こします。ここで妖怪どっちもどっちが顔を出すわけですが、多文化融和主義がテロを起こさないのに対して、排外主義はテロと結びつきやすい存在です。ここに、どっちもどっちの出番はありません。こうしたあたりまえの認識を産経新聞は「主張」「産経抄」で述べるべきではないのですか。民主主義を尊重し平和を愛するマスメディアであるならば。