黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

《ぼくは偏向した新聞は嫌いだ》。他。

産経抄】2月12日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/491187/
産経抄】2月12日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110212/stt11021202510000-n1.htm

 《すでにOBとなられた政治記者にとって忘れられない記者会見がある》。もーいきなり、冒頭から頭痛くなる文章なんですけど。「政治部記者OBは誰でも以下のようになる。すなわち〜」という話かと思ったら、特定の記者の話のようです。なぜ「ある政治部記者は」と書けないのでしょう。
 伝説の、佐藤栄作首相退陣表明での、テレビカメラだけに向かって話しかけた事件についてですね。これが佐藤氏の晩節を汚し、公正の評価を落とす原因になったなら、それはまさにマスコミが偏向していることの証明になるのではないでしょうか。テレビを含むマスコミ各社が拒絶されたことで私怨を抱き、公正の評価に関わるような部分を歪めて伝えている可能性が高いからです。為政者の歴史的評価は記録者の主観に大きく左右される可能性があります。主観が入りそうなときに、いかにそれを排除するかか、これが、歴史学における歴史的なテーマであることは言うまでもありません。事件が原因で評価が低いという指摘は、評価する側に情報を伝えた、自分たちマスコミの責任に跳ね返ってくるのではないでしょうか。
 自分の考えをうまく他者に伝えられない小沢一郎氏にも、特に政治家として大きな問題があります。しかし、最初から「小沢は悪人」と決めつけ、小沢氏側補の(秘書らを含む)発言をほとんどまともに伝えてこない現代のマスコミ*1の責任はどうなるのでしょう。この「産経抄」が「マスコミを拒否すると佐藤氏と同じことになるぞ」と警告しているのは、むしろ自覚的にこの偏向報道を行っていると宣言しているようにも見えます。偏向ぶりは、誰がどう評価するのでしょうか。「第五の権力」としてのネットメディアには、まだそこまでの力はないのが現状です。

年金改革、全ての世代で支え合う制度に - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/491188/
【主張】年金改革の考え方 自助自立に立ち返ろう 全ての世代で支え合う制度に - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110212/plc11021202490000-n1.htm

 「主張」が1本立てで気合いを入れているので、取り上げておいてやります。なにか提言をしているようなので、その「提言をした」という部分については評価しましょう。しかし、《社会の基本は「自助自立」だ》とか言い出すぐらいなら、いっそ「年金も公的医療保険も排紙して米国並みに」とか行ってみせたらどうでしょう。この、いわゆる「自己責任」論の無責任さは、物凄いものがありますね。
 社会の基本は、助け合いです。そうでなければ、そもそも社会の意味がありません。

*1:ほとんど見ていないので断言はできませんが、たまに見る範囲では、新聞よりテレビの方がこの傾向はひどかったと感じます。