黙然日記(廃墟)

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産経抄、伝統文化を軽視する。他。

産経抄】10月7日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/448546/

 日中首脳懇談@廊下を、海外紙の別の問題に関する表現を引用して「カブキ・ショー」と揶揄しているのですが、それでいいの? その表現は歌舞伎への理解が浅い外国人が、演劇(play)としての価値を認めず見世物(show)と表現したものではないのでしょうか。いやこんな指摘をする前に、そもそも《カブキ》というカタカナ表記の単語を、軽蔑したニュアンスで使っているようなのですが、“保守派”を名乗る産経新聞は、日本の伝統文化を代表する芸能に、いったいどんな印象を持っているのでしょうか。
 「中国人通訳はこういう傾向がある」という聞きかじりの知識を元に《カブキをますますチグハグなものにしたはずだ》とか、もちろん見てきたわけでもない、詳細に懇談の記録を検討した形跡もなしに、よくこういう言い方ができるものですね。

産経抄】10月6日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/448143/

 昨日のエントリ d:id:pr3:20101006:1286376630 の訂正から。コメント欄でid:gaullisteさんにご指摘いただきましたが、阿比留瑠比氏は現在、山系政治部与党キャップではなく首相官邸キャップです。謹んでお詫びいたします。
 もうひとつ、言い忘れていたことを追記します。「産経抄」の中で、枝野幸男民主党幹事長代理の《中国は悪しき隣人》発言を(名前は出していませんが)引いた上で、仙谷由人官房長官がこれをフォローした「日本が侵略行為で迷惑をかけた」発言を非難しています。これは抄子がうっかり見落としているのか、あれだから気づく能力がないのかわかりませんが、枝野氏の元々の発言は、中国の経済体制は法律に基づいた運用がされていない、政治体制も違うから、信頼はできない。しかし中国は《悪しき隣人でも隣人だ。それなりにつきあいをしていかないといけない》というものです*1。この発言はもちろん、「よし中国と戦争だ」と吹き上がってる馬鹿どもへの牽制を意図したものでしょう。また、中華人民共和国の体制への批判であって、チャイナあるいは漢民族への誹謗ではありません。枝野氏が中華人民共和国に対して以前から批判的であることは周知の事実で、チベット議連会長を務めていたことなどを挙げる必要もないでしょう。「リベラルサヨのはずの枝野が宗主国様を批判した」と一部ネット界隈では騒ぎになっていましたが、人権派としての枝野氏にしてみれば、一貫した言動なのです。野党で無役の議員ならともかく、与党幹部の発言としてどうなのか、という点は別として。
 「悪しき隣人」の部分を切り出し強調して報じたのは、実は産経以外のメディアだったのですが(上の註釈に挙げた記事参照)、抄子は自社の報道を検証せずに、他社の見出しに乗っかって、枝野氏がそのような発言をしたかのように思いこんでいるのです。また仙谷氏のフォローもその意味ではおかしくて、日本が迷惑をかけたのは中華民国時代の話です(日本も日本国ではなく大日本帝国でしたが)。中華民国ではなく中華人民共和国を特定して批判した枝野発言へのフォローとしては、成り立っていません。まあ、官房長官発言としてはやむを得ないところなのはわかりますが。

島だけじゃない! センカクモグラを守る会発足 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/448895/

 えーと。なんとコメントしたものか。アルピニスト野口健氏は、戦没者遺骨収集事業にも取り組む中で日本遺族会や一部右派政治家などともつながりが深いことは知っていましたが、このタイミングでこういう運動を始めるというのは。
 ご存知の方はご存知だと思いますが、《日本の民間団体が持ち込んだヤギが繁殖、環境破壊が進みモグラを含め多くがすでに絶滅しているか、絶滅の危機に瀕(ひん)している可能性がある》というのが、またなんとも間抜けな話ですね。

*1:引用元は産経記事: http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/446909/ 、強調は引用者