黙然日記(廃墟)

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産経「正論」泥まみれ。

【正論】高崎経済大学教授・八木秀次 村山談話に乗っ取られる日本 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/212261/

 まずやはりここから。自衛隊統合幕僚学校歴史観・国家間講座の講師人選が批判されていることを、八木氏は他人事のように問題視しています。ところでこの講師陣に、名前を明かさない高崎経済大学助教授(当時)でつくる会メンバー(当時)がいたようですが、いったい誰だったんでしょうか。
 さて、数年前までつくる会会長で高経大助教授だった八木氏*1はここで、自衛隊での教育が村山談話(政府見解)に縛られることから、公教育もそうなるのではないかという危惧を表明しています。自衛隊員すなわち政府職員に対して政府見解(村山談話)を徹底させることと、一般国民に対して一面的に教えることは違うわけで、これはずいぶん飛躍した危惧だと言えます。ファストフード企業は「人を見たら笑顔で挨拶しろ」という方針を掲げ、従業員には徹底させますが、客に対して笑顔を強要することはありません。塾企業は「優しく丁寧に」という方針をたぶん掲げていると思いますが、生徒に強要することはありません。政府や自治体も「見解を遵守するように」と従業員(公務員)には求めつつ、行政サービスの受益者である生徒(国民)に対して強要する権利はないでしょう。むしろ、八木氏や日本教育再生機構の側が、公教育に国家の統制を求めているわけで、そのことは、八木氏が改正教育基本法をここで全面に掲げていることからもわかります。なのに村山談話(および後述の数例)についてだけは教育の国家統制を否定し、統合幕僚学校の一件から類推に類推を重ねて、村山談話が公教育を、ひいては日本を乗っ取ってしまうという妄想 危惧を示せるというのは、なかなか愉快な態度ですね。
 この八木「正論」はさらに、「特定の勢力」が利用する村山談話に匹敵する建前として「いわゆる従軍慰安婦についての「河野談話」、教科書検定の「近隣諸国条項」、「児童の権利条約」、「男女共同参画社会基本法」など」を挙げています。どういう思考に基づくものかがわかって興味深いのですが、八木氏を含む側の「別の特定の勢力」が児童の権利条約に対して否定的な立場だとすると、吉田泉議員が児ポ法反対の立場から国会質問した理由が、少しわかるような、やはり考えすぎのような。


 昨日のエントリで、日本教育再生機構関連の泥仕合が面白いという話をしたら、今日は同機構の八木秀次理事長が「正論」欄に登場し、自分から泥沼に入り込んで足を取られもがく姿を見せてくれたわけですが。なんという芸人根性でしょうか。今度、泥んこプロレスの興行とかしてくれませんか。対戦相手は櫻井よしこタンきぼん(つくる会現会長の藤岡信勝氏でも、一部の腐女子にはウケると思います)。場所は靖國神社境内で、奉納泥レスというのはどうでしょう。最近「産経抄」スレで話題になったので知ったのですが、安岡章太郎『サーカスの馬』の舞台が靖国境内だったり、もともと興行の場としても使われていたそうです。現在でも奉納相撲が行われていますし、最近では大仁田厚氏が奉納プロレスを行った例もあります。

*1:念のため、八木氏は今はつくる会を分裂させて日本教育再生機構理事長に納まり、同大学の教授に昇進しています。