黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経と米国と戦争。

 4日の分ということで。

【主張】米大統領選 アジア政策深まりを期待 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/175603/
世界は米国の強力な指導力の再生と国際協調の復活を求めている。

 「ケータイ買ってよー。みんな持ってるもん」
 「みんなって誰と誰よ」
 「えーと、たかしくんと、あと……」

【正論】作田明 欧州で「戦争と犯罪」を考える - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/175607/

 産経「正論」欄とはとても思えない、興味深い文章でした。結論から紹介すると、戦争のない国は犯罪発生率が低いというもので、日本や北欧、スイス、ドイツと、英国や特に米国が対比されています。その前段にある、第二次世界大戦後は先進国のあいだで戦争は起きていない*1という指摘も併せると、米国は野蛮国という結論がどうしても出てしまうのですが、産経はこんな文章を載せてしまって大丈夫なのかしらん。

【コラム・断】伊藤さんの「義」と「善意」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/dan/175735

 ああ気の毒に、この人は日本語が理解できないのだなあ。カタカナ語の是非はさておいて、"Volunteer"の訳語として「義勇兵」とは別の言葉が必要だから「ボランティア」という日本語の単語が生まれたわけで、"Volunteer"という英単語に「義勇兵」と「ボランティア」両方の意味が含まれることも理解できていないのでしょう。カタカナ語の「ボランティア」には、たとえば「義勇者」という訳語を作ることができます*2。義勇者に軍事知識は必須ではありません。
 こういう人は、たとえば"English"という名詞には「英国語」と「英国人」両方の意味(他に形容詞として「英国の」という意味)があることも、たぶん理解できないのでしょうね。産経論説欄に人士多といえど、ここまで物凄い人は大月隆寛氏ぐらいなものです。*3

*1:ふと気づいたのですが、第二次大戦も「先進」国と後発国の戦いだったわけで、当時の日独伊を解釈する視点によっては、第一次世界大戦が最後の先進国間戦争だったとも言えそうです。

*2:あまり適切な訳語だとは思いません。訳語はともかく定義として、「ボランティア=利得を度外視して他人のために行動する人」(度外視ですから利得を得てもいいのです)ぐらいのところですから、「義勇」というのは少し字面が重すぎます。

*3:この人を相手にしているときりがないので、できるだけ無視することにしていたのですが、今日のはあまりにもあんまりだったので、つい。