黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

阿比留瑠比氏、河野議長に粘着する。

【土・日曜日に書く】阿比留瑠比 戦没者への礼知らぬ河野議長 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/other/172576

 よくもまあこれだけ河野氏の過去の発言を引っ張り出してきたものだと思うぐらい、なんだかんだと並べているのですが、要約するとどうやら、「河野洋平氏の考えが自分と違うから気にくわない」ということみたいです。
 現在河野洋平氏が衆議院議長という三権の長の座にいるのは、国民に選ばれた多数派の代表として衆議院を取り仕切るためです。その適任者として国民の代表たる衆議院議員たちによって河野氏が選ばれたのですから、河野氏を批判することは日本国民や民主主義を否定することになります。
 ……というのは、むろん暴論です。しかしこの暴論は、昨年の今ごろ、阿比留記者はじめ産経の論調として、「民主的に選ばれた日本国の代表を批判することは許されない」として連発されていたものです。立法府ではなく行政府の長に関してですが。
 そういうわけで阿比留記者が河野議長を批判すること自体はかまわないのですが、その批判の方向も例によって明後日の方角を向いているわけですね。河野氏の言動の根幹には「あの悲惨な戦争を二度と起こしてはならぬ」という強い信念があり、それは戦没者へのもっとも強い追悼の意識であり、大多数の国民の願いでもあります(九条改正に賛成する国民も、その大半はやはり、「ああいう戦争は起こしてはならない」と考えているでしょう)。それに反対し、あの戦争を肯定するのなら、その立場を明確にした上で批判するべきなのですが、そこからはあきらかに逃げています。三権の長たる政治家への礼を知らぬと言うべきでしょう。