黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

古森義久氏、ODAを考える。

ODAの倍増に効用なし――費用対効果は証されていない - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/583849

 2002年発行の自著『「ODA」再考』を踏まえ、ODAについて、特に今回のアフリカ開発会議にともなって福田首相が提案した、対アフリカODA倍増計画について考えています。過去5年の平均額である約1000億円(下記資料によると2002〜2006年の平均が約10億ドル)から段階的に増額し、2012年には約2000億円にしようというものです。

第16回海外経済協力会議結果 - 首相官邸
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kaigai/dai16/16kekka.html

 日本国のODAのあり方についてはいろいろ問題も多いのですが、日本とアフリカ諸国の関係を密にする(というかいままで疎に過ぎたのを改める)のは、悪いことではありません。
 ちょっと資料をまとめます。外務省のサイト*1から、1993年〜2006年のデータを抜粋します。

対アフリカODA総額の推移(単位:百万US$)

暦年 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
966.10 1,144.22 1,332.93 1,067.24 802.82 950.29 994.63 968.98 851.33 583.75 529.98 646.95 1,137.33 2,515.49

 これを見ると、毎年むやみに金額が変わっています。特に近年(2004〜2006)は、1年で2倍とか2年で4倍とかいった状況です。それまで10年間ほぼ10億ドルの枠で推移してきたものが、2003年に減らしすぎた反動とも言えますが、2006年は一気に25億ドルに達しています。
 2007年実績および2008年予定については外務省のサイトでは見つけられなかったのですが(財務省のサイトで決算および予算を詳細に見ればいいのはわかっているんですが)、2006年の突出を踏まえて平均額がまた約10億ドルになっているとしたら、2007〜2008年はかなり減額されているのかもしれません。

 「金額の倍増」という目標を、古森氏は「数字遊びと評し、その費用対効果が不明だとして、福田康夫首相と高村正彦外相を厳しく非難しています。しかし、対アフリカODA金額が政策的に激しく増減するのは、上記の表を見ても、珍しい話ではありません。たとえば2007年1月に発表された外務省の広報資料*2によれば、2005年以後3年間で対アフリカODAを倍増する計画がすでにあったことがわかります。念のため書いておきますが、安倍晋三首相・麻生太郎外相の下で行われた政策です。