黙然日記(廃墟)

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古森義久氏、うまいことを言う。

胡錦濤主席訪日の意義とは――唯一の清涼剤だった安倍発言 - ステージ風発:イザ!
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/569574

 まるで、「ネタにしてくれ」と言っているようなエントリです。というわけで遠慮なく。
 冒頭いきなり、「中国の胡錦濤国家主席の来訪が日本をにぎあわせています。/アメリカ側の反応はきわめて控えめです。」と、わけのわからない文章から始まります(「にぎあわす」はご愛敬としても)。胡錦濤主席が訪米、あるいは訪欧したとして、日本のメディアが今回と同じように逐一報じると思いますか? 
 「私の知己の敏腕記者(産経新聞記者ではありません)」という謎の人物も登場します。たとえば毎日新聞社にもまだ知り合いはいるでしょうが、よく考えたら新聞記者とは限りませんね。雑誌記者なら、いろんな人がいるでしょう。しかし産経新聞には、この程度の頻度表を作れる「敏腕」記者もいないのでしょうか。
 胡主席池田大作氏との会談をわざわざ写真付きで言及して、読者の感情を逆撫でする手法もなかなかですね*1
 で、安倍ちゃんの例のKY発言を「清涼剤」とする絶賛へと続くわけです。古森氏のこの表現は実に的確で、感服しました。彼の発言はおそらく、その場の空気を一気に冷え込ませる効果があったでしょうから。


 古森氏の安倍シンパぶりは今さら言うまでもないのですが、こうした極端な礼賛は、従来にはなかったと思います。政権当時は「日本国の総理大臣を支持するのは当たり前」という、そう言われてしまうと反論しづらい(できるんですけどね)論理で押し通し、例の憲政史上例のない無責任自爆をやらかしたあとは完全にスルーを決め込んで(その代わりに小沢一郎氏への藁人形叩きなどで読者の目を逸らせつつ)、安倍氏の不利になるようなことはいっさい言わず、ようやく褒められそうな機会を見つけると、状況も考えずに絶賛する。
 古森氏にとって、あるいは“自称保守派"の人々にとって、安倍晋三という人物は、そこまでして守る価値のある存在なのでしょうか。なんとなく、「岸王朝の末裔を奉る亡国の遺臣」という図が目に浮かんできます。「反動」ではなく「保守」を自称するのも、そういう価値観については正しいのかもしれません。

*1:池田氏は各国要人と会うのが仕事みたいなものだからわかるのですが、胡氏がなぜこの会談を受けたのか、正直なところよくわかりません。反チベット仏教ということなのでしょうか。あるいは、ここ9年の政権(安倍政権含む)を池田氏が陰から支え続けたことを重視しているのでしょうか。それなら日本会議三好達会長とも会談すればいいのに。