困った素人が「見た」コミケ。
vanacoralさんの日記*1経由で、なかなか困ったblogを見つけてしまったので、やむなく突っ込みます。なんかウヨ系の人らしいけど、そういうこととは関係なく、こういう人は困るんですよねえ。
Empire of the Sun太陽の帝国 : 「コミケ」マンガよりヲタク・フェスティバル?
http://empire.cocolog-nifty.com/sun/2007/08/post_e52b.html
「コミケの運営会社は閉鎖的だ」とか「七日間開催にしろ」とか、知識不足によるいちゃもんだけでも困ったものですが*2、自分が見た断片だけで全体像を決めつけて批判されても、どうしようもないんですね……。
「中年以上の男性がいない」とか「中年の女性はいたが店番なのでマンガのことがわからない」とかにいたっては、そもそもこの人は本当にコミケ会場を見てきたのかと思ってしまいます。もしかしたら、スーツではなくカジュアルな服装をしていると中年男性だと認識できない人なのでしょうか。19日に参加していた女性サークルは平均年齢30代というジャンルだったはずだし、男性を含めて40代50代も珍しくなかったはずなんですが*3。「おたく世代の若者」という結論を導くために、見たくないところは見ていなかったんでしょうかね?
で、最大の困った点は会場内は撮影禁止ということを、ちっとも理解していないらしいところです。これもカタログを見ていないならしかたないかもしれませんが。また、「話しかけても答えない人が多くて閉鎖的」として、この点をエントリのテーマにしているようですが、いちおうコミケのルールとして、たとえ個人blogでも取材活動が目的なら準備会に連絡を取るべきだし、そもそも広義の取材を拒否する権利は誰にでもあることも前提になっています。この記事の文面ではいったいどんなインタビューをしようとしたのかわかりませんが、文脈を見ると、いきなりでかい声で「いくらぐらい儲かっていますか?」と質問したのでは、という推測までしてしまいます。……近所の八百屋のおっちゃんだって、そんな質問は拒否しますよ。
この記事に限らず、表層的なコミケ取材の記事を見るたびに思うのですが、「この取材者はコミケ参加者を人間だと思っていないんだな」と。人間云々は極端かもしれませんが、「なにか異質な存在」と見られていることはわかります。ゾウという動物を理解するために、高所から見下ろして「でかいだけの動物」と定義するか、いきなり近づいて表面を撫でただけで「しわだらけの壁のようなもの」と定義するか、そんなレベルで「コミケを理解した」と思いたがる連中には、ほとほとうんざりしています。ゾウと一緒に生活しろとはいいませんが、せめて百科事典を引いてから丸一日眺めたりエサをやったり、というぐらいのことをしてから、ゾウについて語ってほしいと思います。