黙然日記(廃墟)

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阿比留記者が調べもせずになんか書いてる。

【安倍政権考】社保庁の異様な労働慣行 阿比留瑠比-イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/57098
《窓口装置を連続操作する場合の連続操作時間は、45分以内とし操作時間45分ごとに、15分の操作しない時間を設ける》《窓口装置の1人1日の操作時間は、180分以内とする》

 これが「異様な労働慣行」の一例らしいです。ところで、厚生労働省労働基準局のサイトを見てみましょう。

新しい「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」の策定について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/04/h0405-4.html

一日の作業時間 一連続作業時間 作業休止時間 小休止
他の作業を組み込むこと又は他の作業とのローテーションを実施することなどにより、一日の連続VDT作業時間が短くなるように配慮すること。 1時間を超えないようにすること。 連続作業と連続作業の間に10〜15分の作業休止時間を設けること。 一連続作業時間内において1〜2回程度の小休止を設けること。

 「45分ごとに15分の休止」は、この基準にぴったり当てはまっていますね(ちょっと甘めではありますが)。阿比留記者が指摘する1988年当時の具体的な基準は面倒なんで調べていませんが、VDT作業問題がさかんに言われはじめた1980年代半ばには、だいたいこんな感じの基準が一般に流布していたと記憶しています*1。もちろん実際には守られるどころかほとんど知られてもいませんが、当時は厚生労働省ではなく厚生省管轄であったとはいえ、仮にも中央官庁が労基局のガイドラインに従うのはあたりまえの話でしょう。
 社会保険庁の怠慢を擁護する気はありませんが(誤入力だらけだったのも明らかなので)、自治労にいちゃもんをつけられればなんでもいいのか、という意味では、産経新聞の看板記者も夕刊フジと同レベルですね。あ、同じ会社だったか。

*1:当時、まさにVDT作業をしながらVDT作業問題に関わる仕事をしていて、いちおう当時の基準も目にしていました。具体的には覚えていませんが、「非現実的な基準だなあ」と思った記憶もあります。